「ながら運転」どこからどこまで?厳罰化・罰則強化!反則金などわかりやすく解説

現在、日本では携帯・スマホの普及率は約95%です。

1年間の警察による交通取り締まり件数は約600万件で、そのうち携帯・スマホなどによる交通取り締まり件数は約80万件にのぼります。

約80万件のうち、ながら運転による交通事故は約2800件で、死亡事故まで発展した件数や約40件です。

ながら運転によって、年間40人前後の方が亡くなっています。

この数字は、少ないと思いますか?

ながら運転をしていなければ、この40人前後の方は命を落とさなかったことになるのです。

「ながら運転」厳罰・罰則強化!どこまで厳しくなった?

 


2019年12月1日から道路交通法が1部改正されたことによって、ながら運転の厳罰化と罰則強化が図られることになりました。

今回の法改正によって、どこまで厳しくなったのか?というと

懲役刑または罰金刑が課せられることになります。

罰金刑なら、前科は付かないと思っている方もいると思いますが、罰金刑は刑事罰になりますので、前科が付くことになります。

この場合は、ながら運転で事故を起こした場合ですが、事故を起こさなくても、状況によっては、懲役刑または罰金刑もしくは、反則金+違反点数という事になり、刑事罰または行政処分のどちらかが課せられることになります。

どこからが「ながら運転」?

 



みなさんが一番疑問に感じているのは、どこからが、ながら運転になるのか?ではないでしょうか。

携帯・スマホなどを、使用していた場合は、ながら運転になります。

手に持っていた場合もながら運転とされるので、勘違いされる方が多いのがこのあたりでしょう。

また、カーナビやスマホをナビ代わりにしている場合、走行中画面を2秒以上見続けた場合には、ながら運転となるので、注意が必要です。

カーナビも走行中、2秒以上見続けた場合には、ながら運転とされるのです。

罰金はいくら?その他の罰則は?



2019年12月1日から施行されたのは、道交法71条が改正されています。

1.携帯電話使用等(交通の危険)

  • 罰則:1年以下の懲役または、30万円以下の罰金
  • 反則金:適用ありません
  • 違反点数:6点

2.携帯電話使用等(保持)

  • 罰則:6か月以下の懲役または、10万円以下の罰金
  • 反則金:
  • 大型車:2万5000円
  • 普通車:1万8000円
  • 二輪車:1万5000円
  • 原付:1万2000円
  • 違反点数:3点

となっています。

交通の危険=交通事故のことをさしますので、ながら運転をしていた場合には、6点減点の1発免停が確定で、さらにその場で現行犯逮捕される可能性があります。

保持=携帯・スマホなどを2秒以上見ていた、操作していたことです。
刑事罰の罰則になるか、行政罰の反則金になるかは、現場判断という事になります。



「ながら運転」改正前と改正後の比較



改正前のながら運転の罰則はどのようになっていたのでしょう。

1.携帯電話使用等(交通の危険)

  • 罰則:3ヶ月以下の懲役または、5万円以下の罰金
  • 反則金:
  • 大型車:1万2000円
  • 普通車:9000円
  • 二輪車:7000円
  • 原付:6000円
  • 違反点数:2点

2.携帯電話使用等(保持)

  • 罰則:5万円以下の罰金
  • 反則金:
  • 大型車:7000円
  • 普通車:6000円
  • 二輪車:6000円
  • 原付:5000円
  • 違反点数:1点

改正後に比べると、非常に罰則が軽い状態で、事故を起こした場合でも、最大で3ヶ月の懲役刑だったのです。

中には、これでも罰則が重いと感じる方もいるでしょうが、冒頭で紹介したように、ながら運転で、毎年40人前後の方が亡くなられていることを考えると、あまりにも罰則が軽すぎると、いわざる負えない状態だったことがわかります。



「ながら運転」厳罰化まとめ

ながら運転厳罰化について紹介してきました。

ながら運転をしていても、自分だけは大丈夫という、理論もない自身があるのは非常に不思議に感じます。

今回の罰則はエンジンが付いているものだけの改正になっているために、自転車(軽車両)については処分の対象外になっています。

自動車・オートバイだけでなく、自転車のながら運転でも以前、死亡事故が起きているので、自転車のながら運転の罰則強化も図るべきであることは、確かでしょう。

ながら運転をして、事故を起こしてしまい相手が死亡した場合は、相手側だけでなく、自分の家族にも被害が及ぶという事だけは忘れないでください。