発達障害・反抗挑戦性障害ODDとは?思春期反抗期との違い・診断基準まとめ


反抗挑戦性障害・ODDについて知ろう

反抗挑戦性障害・別名ODDは主に9歳前後、まれに思春期以降で発症します。反抗挑戦性障害(ODD)という言葉を聞きなれない方も多いと思います。

思春期以降の子どもに現れてくる、暴言、逆切れ、物を壊す、盗むなどの対応困難な状態のいわゆる暴れん坊的な症状です。6か月以上にわたり否定的、不従順、反抗的で挑戦的な態度を繰り返す障害の呼び名で、この反抗挑戦性障害(ODD)が使われています。

 この障害の根本原因は注意欠陥多動症・ADHDがもとになっていることが多いです。

主に多動性・衝動性の強いジャイアン型ADHDが発症する傾向にあります。

ADHDは、個人差はありますが、忘れ物が多く、細かいところでミスをする、気が散りやすく、集中力が続かないなどの症状がありますね。

ADHDの子が反抗挑戦性障害(ODD)を併発してくるには、それなりの理由があります。ADHDの子どもは出来ないこと、苦手なことが多いので、親や周りからどうしても通常発達の子どもと比べられ、出来ないことを怒られたり、否定されることが多くなってきます。

こういった周りの無理解、自分のことを認めてもらえずに成長していくことで、イライラ、恨みなどが溜まって、ODDを発症します。わざと相手を怒らせるような言動をして、相手を困らせていく行動に出てくるのです。

 特に注意欠陥多動症ADHDの子どもがこうやって一部にこのODDを併発しますが、一方でADHDとは診断されていない児童にも出てくることがあります。

このODDは親だけの対応では難しい障がいです。専門家の治療も必要ですが、治療を平行しながら、親や周囲にいる大人も対応方法を学んで、関わり方を工夫していくことが大切です。

思春期の反抗期と、反抗挑戦性障害(ODD)の違い

一般的に皆、思春期というものは出てきます。思春期の反抗的行動は、親から心理的に分離し自律した人間となるために、大切な役割をはたしていると言われています。

このような正常に認められる反抗とは異なり、より激しく偏った反社会的行動が現れる子どもがいます。今までは明確な定義がないまま『反社会的行動をとる子ども』という一般的な考えが広がってきました。しかし、最近は反抗挑戦性障害(ODD)と呼ばれるようになり、明確な診断基準が出来てきました。

もし、自分の子どもがODDかもと悩んでいる方がいたら、一度子どもがこの診断基準に当てはまるかチェックを入れてみましょう。

反抗挑戦性障害ODDの診断基準 A、B、C、Dに該当する場合

A 少なくとも6か月持続する拒絶的、反抗的、挑戦的な行動様式で、以下のうち4つまたはそれ以上が存在する

1.しばしばかんしゃくを起こす
2.しばしば大人と口論をする
3.しばしば大人の要求、または規則に従うことを積極的に反抗、または拒否する
4.しばしば故意に他人をいらだたせる
5.しばしば自分の失敗、不作為な振る舞いを他人のせいにする
6.しばしば神経過敏、または他人からイライラさせられやすい
7.しばしば怒り、腹を立てる
8.しばしば意地悪で執念深い
注:その問題行動がその対象年齢及び発達水準の人に通常認められるよりも頻繁に起こる場合のみ、基準が満たされたこととみなすこと

B.その行為の障害は、社会的、学業的、または職業的機能において、臨床的に激しい障害を引き起こしている。

C.その行為の障害は精神病性または気分障害の経過中にのみ起こるのではない。

D.行為障害の基準は満たさず、または患者が18歳以上の場合であれば、反社会的人格障害の基準も満たさない。

反抗挑戦性障害・ODDの診断は総合的に判断する!

さて、先ほど診断基準について書きましたが、この診断基準に当てはまるからと言って、すぐに診断がつくわけではありません。ここは注意してくださいね。

家庭でこの診断基準をやってみて、うちの子は反抗挑戦性障害だと決めつけないでください。なぜなら、子どもが場所によって使い分けている場合もあるからです。家で見せてる子どもと学校で見せる子どもが違う場合も結構あります。

(例1)学校ではとても反抗的で学校側から受診を勧められるが、親の前ではおとなしい

(例2)親が子どもの対応に疲労困ぱいして、病院に連れてきたが、学校ではおとなしく過ごしている

親だけ、学校だけという一方だけの意見で診断を下すのではなく、両者の意見を聞き、総合的に判断する⇒診断は医師のみ出来ます。くれぐれも自己判断されないようにしてください。

通常は、先ほどの診断基準と合わせて、下記のような聞き取りや心理検査を行い、総合的に医師が判断します。

反抗挑戦性障害の総合的判断に必要とされているもの

1.親から詳細な生育歴を聴取する

2.教師から学校での様子について情報を得る

3.少なくとも2つの異なる場面(例えば診察室と心理検査)において観察を行う

4.各種の心理検査(特にPF-study,HTP)から反抗の度合いを評価する

5.複数の評価尺度(CBCL,ODBI)を行う

反抗挑戦性障害と診断された中学2年生 ~ここから実際の事例の紹介~

A君 中学2年生

幼少期にADHDと診断されたことがあるが、両親が納得せずに、療育などは通っていなかった。

小学1年生から普通クラスだったが、小学4年生の時に情緒クラスとなる。情緒クラスは1年で、やはり普通クラスを希望する親の意向で、再度小学校5年生から普通クラスへ通級となる。

中学2年生で不登校が始まる。家の中でのイライラ、母親への当たり・暴言がひどくなる。暴言から暴力へと発展する。両親が学校に相談し、病院受診。⇒1回目:A君と医師の診察⇒2回目:A君と心理士との面談・母親への幼少期の聞き取り・学校担任への聞き取り⇒総合的判断 という流れです。

ここで、気になるのはやはりA君が幼少期にADHDと診断されたが療育に通っていなかった事、また、小学5年生で情緒クラスになったが、翌年、やはり親の希望で通常クラスに戻ってます。療育や情緒クラスの通級で個別に適切な支援を早期に受けていたら、このようにODD発症までに至らなかった可能性もあります。また親の理解が阻まれることで、親の接し方も兄弟と比較して人格を否定するような発言が続き、マイナスの感情、認められない感情、自己肯定感の低さがこの子のODD発症を加速させた可能性があると思っています。

このように早期療育は、その後の思春期にも影響します。子どもの将来を見据えて、しっかりと受け止めていくことは大事になると思います。