ジョー・バイデン前副大統領の経歴や政策を調査!息子や中国疑惑とは?

アメリカ大統領選の民主党の候補指名争いで、ジョー・バイデン前副大統領(77)の指名獲得が確実となりました。

さらにバイデン氏は副大統領には「女性を指名する」と明言しており、当面はそちらの方に注目が集まりそうです。

日本でも関心の高いアメリカ大統領選なので、現職のトランプさんと戦うことになる人がどのような人物か気になる人は多いと思います。

そこで、バイデン氏の経歴や政策・疑惑、当選した場合の日本への影響などについて調べてみました!



バイデン氏がトランプ大統領と対決する構図が確定?

2020年11月に行われる予定の米大統領選は、民主党の候補指名争いからバーニー・サンダース上院議員(78)が撤退したことで、同党のジョー・バイデン前副大統領(77)と共和党現職、ドナルド・トランプ大統領(73)が対決する構図となりました。

バイデン氏にとっては、まずは党内の勢力の一本化が急務です。

しかしサンダース氏は「ジョー・バイデン氏を祝福し、協力する」としながらも「私の名は投票用紙に残る。できる限り多くの代議員を獲得しなくてはならない」と、指名争いでの敗北を受け入れつつも支持者たちに自身の投票を呼び掛けています。

バイデン氏がサンダース陣営の協力を得るには紆余曲折があることが予想され、さらに新型コロナの影響も選挙に影を落としています。

事実、サンダース氏の撤退にはアメリカでのコロナの猛威がかなり関係していて、「国家的危機を前にして、ほぼ逆転が不可能な選挙戦を継続することは得策ではない」との声がサンダース氏周辺で高まったというのも、撤退の理由の1つでした。

 


 

バイデン氏の経歴

  • 本名:ジョセフ・ロビネット・“ジョー”・バイデン・ジュニア(Joseph Robinette “Joe” Biden, Jr.)
  • 生年:1942年11月20日(現77歳)
  • 所属政党:民主党
  • 元連邦上院議員(1973年~2009年1月15日)
  • 元アメリカ合衆国第47代副大統領(2009年~2017年)
  • 学歴:デラウェア大学、シラキューズ大学ロースクール卒業
  • ローマ-カトリック信徒

民主党中道派を代表する大物政治家

上院議員としては当選回数7回議員生活36年を誇った大ベテランで、司法委員長や外交委員長を歴任するなど、上院民主党の“重鎮”として知られています。

2008年のアメリカ合衆国大統領選挙においてバラク・オバマ候補の副大統領候補に指名され、同年11月4日の投開票においてオバマ候補が当選したことによって第47代副大統領に決定、2009年1月20日に正式に就任しました。

 



 

ちなみにアメリカ建国以来初のローマ・カトリック教徒の副大統領であると共に初のデラウェア州出身の副大統領でもあります。

2016年の大統領選挙には不出馬を表明し、ヒラリー・クリントン氏への支持を表明しています。

今回の大統領選への動きが見え始めたのが2017年の6月、新たな政治行動委員会「アメリカの可能性」を設立し2020年のアメリカ大統領選への出馬検討を始めたと報じられました。

その後の2019年4月25日、2020年の大統領選挙へ出馬することを正式に公表しました。

当初、指名候補選びでは苦戦が続いていましたが4戦目であるサウスカロライナ州での勝利を皮きりに対立候補たちが続々と撤退。

4月8日に最後まで残った対立候補のバーニー・サンダース氏が選挙からの撤退を表明したことで、民主党候補の指名獲得を確実にしました

 



 

「不屈」の人格

バイデン氏は幼少期から吃音に苦しんでおり、その克服に20代前半まで要し、また上院議員に当選直後の1972年12月18日、最初の妻のネイリアさんと幼かった長女を交通事故で亡くされています。

そして1988年2月、45歳の時に脳動脈瘤が破裂し一時危篤状態に陥り生死の境をさまよい、さらに同年5月には2度目の脳動脈瘤の手術を受けるなど、波乱に満ちた半生を送られています。

そういった困難を乗り越えて上院議員として活躍し続けた彼は、時折「サバイバー」とも呼ばれています。

バイデン氏の政策

バイデン氏のキャンペーンは「アメリカは理念の国」「われわれはアメリカの魂のために戦っている」と断言しています。

外交を最も得意としており、様々な発言や政策提言を行っており、各国を訪問するなど行動派の一面も見えます。

国際自由主義(リベラル・インターナショナリズム)の信奉者であり、当然彼の外交政策スタンスにも反映されています。

その他にも司法政策に精通しており、さらに教育関連の立法や、麻薬政策を始めとした犯罪防止政策や人権政策などにも積極的に取り組んでいます。

 



 

1994年に携わった「暴力犯罪防止・法執行法」(Violent Crime Control and Law Enforcement Act (VCCLEA)は一般に“バイデン犯罪法”として知られており、バイデン氏の最大の業績と言われています。

また2003年から始まったイラク戦争においては、当初はイラク戦争開戦に肯定的だったバイデン氏ですが、情勢が泥沼化してくると、一転して反対に転じています。

そして2010年3月23日に国民皆保険への道を開く医療保険改革法にオバマ大統領と共に尽力したことや、今回4月9日にサンダース氏の側近らによる話し合いからまとめあげた医療保険制度や教育に関連する新たな政策を発表したことなどからも医療や教育を含めた福祉制度への関心の高さがうかがえます。

バイデン親子と中国との関係は?

バイデン氏は親中であることが知られており、中国からしてみれば当然トランプ氏よりも大統領になって欲しい人物です。

また、息子のハンター・バイデン氏には「中国から15億ドル受け取った」という疑惑が向けられており、氏の広報担当は否定しています。

そして疑惑の有無にかかわらず、これまで以上の経済弱体化を避けたい中国としては民主党の有力候補を上手く利用することを考えないわけがなく、様々なアプローチがあって然るべきと予想されます。

 



 

トランプ氏はこれに関してツイッターに

「中国が貿易協議を撤回し、再交渉しようとしたのは、大統領選の民主党候補との『交渉』で、米国からの搾取を続けられると希望を持ったからだ」

「ウクライナはバイデン親子の捜査をすべきだ。同様に、中国もバイデン親子への捜査を開始すべきだ。中国であったことは、ウクライナであったのと同じくらいひどいので。自分だったら、バイデン親子への捜査開始を薦めるだろうと、ゼレンスキー大統領に伝えたい。2人が悪党ではないなど、そんなこと誰も思ってないんだから。100%不正取引があったんだ」

「中国はバイデンのような人物と取引し、息子に15億ドル(約1600億円)を渡している。おそらくそれで中国は自分たちにとって都合の良い取引を何年にもわたって維持して、我々の国を食い物にしてきたんだ」

などと投稿していますが、いずれについても証拠はありません。

ちなみに2013年、当時副大統領だったバイデン氏は、中国を公式訪問しており、習主席をはじめ政府幹部と会談しています。

この訪問には、息子のハンター・バイデン氏とその娘も同行しており、その2日間の訪問中にハンター氏は、後に事業で提携する中国の金融家ジョナサン・リ氏と会っています。

その後間もなく、リ氏は投資会社を立ち上げ、ハンター氏はその役員となりました。

 



 

バイデン氏のウクライナ疑惑

息子のハンター氏が取締役を務めるウクライナの天然ガス会社に捜査の眼が向けられた2016年ごろ、バイデン氏は米国副大統領としてウクライナを訪問し、同国の検事総長の罷免を要求しています。

少なくともこの圧力の結果、ウクライナの検事総長がその事件を捜査中であったにも拘わらず交代させられ、捜査も打ち切られ誰も訴追されないままになっているという疑惑があがっています。

 



 

バイデン氏が大統領になると日本にはどう影響する?

他国の大統領選挙がここまで日本で報じられるのも、その影響力の高さ故でしょう。

バイデン氏が次期大統領に決定したら日本はどうなるのでしょうか?

例として、現在のトランプ大統領が日本に対して行っていることは主に以下の通り。

  • 2016年の大統領選挙戦で公言していたほど日米関係を悪化させようとはしていない
  • 安倍首相とはかなり良好な関係
  • 対中国貿易戦争により結果的に中国は日本との関係を悪くできない
  • 日本のロシア政策に関して苦情も干渉もしてこない
  • 「アメリカが日本を守る」構造に難色を示している(憲法改正に追い風)

日本人の約7割超が「トランプ大統領が2020年に再選されることはよくない」と回答している状況ですが、日本のリーダーたちにしてみればトランプ氏との関係に多くのエネルギーを割いてきたため、トランプ氏が大統領のままのほうが、関係の薄い人が大統領になるよりは望ましいとされています。

つまりバイデン氏が新大統領となると、上記のことがいくつか反転させられる可能性があります。

最も不安なのは中国との関係で、上で述べたバイデン氏と中国の関係を考えると中国がますます日本に対して強く出るようになるのでは?と懸念されています。

バイデン氏の日本国憲法に関する発言

2016年当時、副大統領だったバイデン氏は「我々が日本の憲法を書いた」といった旨の発言をして話題になりました。

ヒラリー・クリントン次期大統領候補が2016年8月15日にペンシルベニア州で開いた集会の中で出た発言で、対立候補の共和党のドナルド・トランプ候補のことを指しながら、

「彼は、核保有国にはなれない、とする日本の憲法を我々が書いたということを理解していないのか」

と批判しました。

トランプ氏が同盟国の核武装を容認する姿勢を示したことについて日本の憲法を例に出し批判した形ですが、アメリカ政府の要人が「我々が日本の憲法を書いた」(We wrote Japan’s Constitution)と公言するのは異例と言えます。

 



 

まとめ

アメリカ大統領選の民主党の候補指名争いで、ジョー・バイデン氏の指名獲得が確実となりました。

  • 外交が最も得意
  • 国際自由主義(リベラル・インターナショナリズム)の信奉者
  • 司法政策、犯罪防止、人権、医療などに強い意欲
  • 親中として知られている
  • 中国とウクライナに関して様々な噂が流れている

といった人物です。

個人的にはこのままトランプさんが再選したほうが、日本としては楽なのではないかと思っています。

11月、どうなるのでしょうか。

とりあえずコロナには大人しくしていてもらいたいですね・・・。